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ミニ四駆 縮みタイヤの作成法とその原理

投稿日:2013年 更新日:

今年2月ごろに出したタイヤ変質化結果の記事、

通称縮みタイヤ(縮めタイヤ)の方法論がここまで広がるとは思ってませんでした。

ネットってすごい!

使用するモノが少し危険なので、より安全な使い方をここでは書きます。

縮みタイヤの作り方 概略

1.ブレーキクリーナー(Amazon)をガラス瓶に入れます。
2.ガラス瓶にタイヤを入れて24時間待ちます。
3.取り出して乾燥します。

たったこれだけです。
以下は詳細な手順となります。

1.ブレーキクリーナーを用意する

市販のもので構いません。
取り扱いの際は火気厳禁です。

2.ブレーキクリーナーをビンに入れる

タミヤから出ている、タミヤペイント用のガラス製瓶(直径4cm)がやりやすいです。
最適は直径5~6cmのガラス製のビンです。

入れ物がプラスチック等の製品だと、ブレーキクリーナーは有機溶媒やアセトンを含むため溶ける場合があります。

Amazon

3.縮めたいタイヤを入れる

店舗で今売っているものであれば、
素材が熱可塑性エラストマーなので問題なく使用できます。

昔のタイヤ(ゴムタイヤ)はこの方法が原理的に使えません。

4.24時間待つ

冷蔵庫(約10℃)で保存してください。
ブレーキクリーナーを出来るだけ減らさないためです。
(もったいない&室内放置は火災の原因になるので)

その時はビニール袋2重で封をしてください。
ブレーキクリーナーの気体が漏れて臭いです。

5.取り出す

取り出しは直接手で触らず、要らないシャフトなどで取り出してください。
手肌の弱い方だと炎症を起こす可能性があります。

6.乾燥させる

ブレーキクリーナーは気化しやすく乾燥しやすです。
何枚か重ねたティッシュの上に置きましょう。
(置いてある台との癒着が防げます)

この時ホイールに被せておくと、すぐに使える縮みタイヤになります。

乾燥は経験上24時間くらいしたほうがいいかもしれません。

縮みタイヤが可能な素材、熱可塑性エラストマー

現在タイヤに使われている素材は熱可塑性エラストマーと言い、ゴムではありません。

昔のタイヤはゴムだったので、天日干しするとグリップが落ち、干しタイヤと呼ばれるツルツルのタイヤになりました。

熱可塑性エラストマーは「軽量」「着色が容易」「加工が簡単」「熱可塑性を持つ」「耐候性が高い」「リサイクルしやすい」性質を持ちます。

非常に扱いやすい素材でゴムのような性質を持つため、ゴムに代わりかなりの分野で熱可塑性エラストマーが利用されています。

縮みタイヤ(素材変性)の原理

熱可塑性エラストマーに配合されている柔軟剤のようなものが、無極性の有機溶媒に溶け出すことを利用しています。

つまり、ブレーキクリーナーで強制的に柔軟剤を抜いています。

硬くなり、グリップが落ちるのは自明の理です。

そして、柔軟剤は素材に完全に均一に配合されているわけではないので、いびつな形に変形します。

まとめ

この情報が非常に少なかった(烏龍茶煮沸時代)場合、ほとんどの方がハードタイヤを使っておられた記憶があります。

ネットワーク社会になって、こういうことが共有されるのは非常に興味深いです。同じようにペラタイヤも急速に普及しました。凄いことです。

情報が潤沢にあるとそれが当たり前になり、そこからもっといいモノが出てくるんじゃないかと考えています。

つまり、自分の好きなように、真似たり、新しい視点を考えたりするのは大事かと。
皆が同じようになったらつまらないですしね!

おまけ:ブレーキクリーナーの組成から変性化する原因物質を調べる

ブレーキクリーナーはいろいろなものを混ぜてできています。
基本的に製品安全データシート(MSDS)に全て書いているのでそこから調べてみましょう。

ブレーキクリーナーの組成

化合物名 含有量(%)
シクロヘキサン 70~80
ヘキサン(n-ヘキサンを除く全異性体) 10~20
エタノール 5~15
2-プロパノール(アセトン) 1~10
二酸化炭素 噴射剤
LPG 噴射剤

ブレーキ&パーツクリーナー BC-SJ 製品安全データシート(MSDS)より)

その中で何が変質化を引き起こすか調べてみました。
怪しそうなのはアセトン、ヘキサンです。

  • 2-プロパノール(アセトン)
  • 100%アセトン(別名:リムーバー)を用意しタイヤに塗布してみました。

    結果:グリップが上がった
    えっ・・・なにそれこわい。

  • ヘキサン
  • 極性の低い溶媒として、油脂の洗浄・抽出をはじめ様々な用途に用いられる。
    ホームセンターや自動車用品販売店にて「ブレーキクリーナー」「パーツクリーナー」という名称でヘキサンのスプレーが販売されている。これらの商品はヘキサンの溶剤としての効力を、高圧ガスの噴射力でさらに高めている。油脂や金属粉による汚れを効果的に除去できるが、プラスチックやゴムを侵すため、噴射する際はこれらにかからないようにしなければならない。

    ヘキサン – Wikipediaより)

    なるほど、ヘキサンが原因か!

    ちなみにヘキサンは危険です。
    可燃性があるので使用する際は充分な換気が必要です。

    おまけ2:タイヤ材質:熱可塑性エラストマーについて

    1.熱可塑性エラストマーの性質
    ・軽量である
    ・着色が容易
    ・プラスチックのように加工が簡単に可能
    ・熱をかけると流動化する
    ・変形しやすい(元に戻りにくい)
    ・耐候性がある
    ・リサイクルしやすい

    2.ゴムの性質
    ・加硫して架橋構造を作る必要がある
    ・熱をかけると硬化する
    ・変形しにくい
    ・耐候性が少ない
    ・リサイクルしにくい

    3.それぞれの比較
    ・整形
    熱可塑性エラストマーは多様な整形ができ、エネルギー消費も少ない。
    また、比較的低温でも熱可塑性をもつため、高圧をかけて鋳型に流せば簡単に整形できる。
    何回でも整形しなおせるし使ったモノでも溶かしなおし可能のようだ。

    ゴムは加硫しないとゴムにならないので加工・整形が面倒。
    しかも熱をかけると硬化する。

    ・使用
    熱可塑性エラストマーは耐候性が高い。また耐摩耗性も高いようだ。

    ゴムは耐候性が低いが、変形しても元通りになる。

    ・廃棄
    どちらも燃やすと有毒ガスが出る。
    熱可塑性エラストマーはリサイクルしやすい。(はず)

    4.比較まとめ
    熱可塑性エラストマーは安価で作れて加工・整形が簡単。色も簡単に付けることが可能。
    そして耐候性・耐摩耗性が良いので長持ちする。

    ゴムは加工が難しい。
    そして耐候性が低く長持ちし辛いようだ。

    そのためミニ四駆などのタイヤで使用するモノには「熱可塑性エラストマー」を選択するのは当然だろう。
    ただし、ゴムにあった耐候性が低い性質を利用した通称干しタイヤと呼ばれるものの製作は難しくなった。
    しかし、熱可塑性エラストマーはどうやら非極性の有機溶媒(×アセトン)で硬化性を持つ樹脂に変質させることができるようである。

    5.参考
    ・Google検索(熱可塑性エラストマー)
    ・Google検索(加硫ゴム)

    6.コメント
    簡単にまとめると、
    「熱可塑性エラストマーは長持ちするし、硬化(干し)タイヤも簡単に作れそうだしいいんでね?」
    ということですね。

    フロントタイヤのグリップ力を簡単に落としたいから探してたんだけど、まさかなあ・・・。

    -ミニ四駆

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